中絶費用が不安な方へ|補助金・給付金制度について解説
中絶費用に補助金は使える?
中絶手術を検討する際、「費用に補助金は使えるのだろうか」「少しでも負担を減らせないか」と考えている方もいらっしゃるかと思います。特に、突然の妊娠や予期せぬ事情で中絶を決断される場合、経済的な負担が大きな心配事になることもあります。
中絶費用に対して補助金が利用できるのかという疑問に、制度の仕組みや最新の支援内容をもとに、できるだけ分かりやすくお伝えします。
中絶手術費用に直接使える補助金はありません
現在の日本の制度では、中絶手術そのものの費用に対して、直接充てることのできる補助金は設けられていません。公的な医療保険も適用外となるため、手術費用は原則として自己負担になります。費用面に不安を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、費用面だけで治療を諦めてしまう必要はありません。状況や条件によっては、負担を軽くできる別の支援制度を利用できる場合があります。次の項目では、中絶後も対象となる給付金制度について、わかりやすくご紹介します。
条件を満たせば「給付金」を受け取れる制度があります
中絶手術の費用そのものに補助金は使えませんが、妊娠や出産に関する支援制度の中には、条件を満たすことで給付金を受け取れる仕組みがあります。制度の存在を知らずに申請せず、結果として本来受け取れるはずの支援を逃してしまうこともあります。内容を正しく理解しておくことで、経済的な負担を和らげることにつながります。ここからは、中絶後でも対象となる給付金制度について、具体的にご説明します。
中絶後も対象になる「出産・子育て応援交付金」とは?
「出産・子育て応援交付金」は、妊娠した方の心身や生活面を支えることを目的に設けられた制度です。大阪市では、国において創設された出産・子育て応援交付金に基づき、出産・子育て応援給付金の支給を一体的に実施する「出産・子育て応援交付金事業」を、令和5年2月20日から開始しています。(令和7年4月1日から法定事業化され「妊婦のための支援給付事業・妊婦等包括相談支援事業」となりました。)
出産を前提とした支援という印象を持たれがちですが、妊娠の経過や結果にかかわらず、一定の条件を満たすことで給付対象となります。中絶や流産、死産といった選択や状況も含め、妊娠そのものに寄り添う制度として位置づけられている点が特徴です。
最大10万円の給付が受けられる
妊娠認定時:5万円
妊娠終了後:胎児1人につき5万円
この制度では、妊娠が確認された段階で5万円、妊娠が終了した後にさらに5万円が給付され、合計で最大10万円を受け取ることができます。医療機関で胎児心拍が確認されていれば、妊娠の継続期間にかかわらず対象となるため、早い段階で中絶を選択した場合でも申請が可能です。手続きの時期や方法を知っておくことで、精神的にも金銭的にも余裕を持って治療に向き合えるようになります。
給付対象になる条件
この給付金を受け取るためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。
条件そのものは決して難しいものではありませんが、申請のタイミングを逃してしまうと給付を受けられなくなる場合もあります。安心して制度を利用するためにも、早めに内容を把握しておくことが大切です。
【給付対象になる条件】
- 医療機関にて胎児心拍が確認されていること
- 医師の診断により、妊娠の事実が医学的に認められていること
- お住まいの自治体へ妊娠届出を行っていること
- 定められた期間内に所定の申請手続きを行うこと
※申請期限や提出書類の詳細は自治体ごとに異なるため、住民票のある市区町村の「妊婦の為の支援給付」担当窓口へ事前に確認しておくと安心です。

中期中絶なら「出産育児一時金」が使えるケースも
妊娠の週数が進んだ段階で中絶を行う場合、身体的な負担に加え、費用面への不安も大きくなりがちです。一定の条件を満たす中期中絶では、健康保険制度の対象となり、「出産育児一時金」を受け取れる可能性があります。制度の仕組みをあらかじめ知っておくことで、経済的な見通しが立てやすくなり、治療に向き合う際の心理的な負担の軽減にもつながります。
妊娠12週以降は健康保険の給付対象
妊娠12週以降の中絶は、法律上「出産」に準じた扱いとなるため、健康保険から出産育児一時金が支給されます。支給額は原則として一児につき50万円となり、分娩機関が「産科医療補償制度」に加入していない場合や、妊娠週数22週未満での出産・中絶に該当する場合は、48万8,000円が支給されます。双子などの多胎妊娠では、胎児の人数分が給付対象となるため、費用負担を大きく抑えられるケースもあります。加入している健康保険の種類によって手続き方法や支給の流れが異なるため、事前に確認しておくと安心です。
※当院では、妊娠12週未満の初期中絶に対応しております。
妊娠12週以降の中期中絶には対応しておりませんが、状況に応じて適切な医療機関のご案内も可能です。対応可否についてご不明な点がある場合は、事前にお気軽にご相談ください。
中絶費用の補助金・給付金を申請する流れ<h2>
補助金や給付金を受け取るためには、いくつかの手続きを順番に進める必要があります。あらかじめ全体の流れを把握しておくことで、余計な不安を感じることなく手続きを進めやすくなります。
医療機関で診察・診断を受ける
まずは医療機関を受診し、医師の診察を受けます。給付金の申請には、妊娠の事実や経過を証明するための診断書が必要となるため、この段階で必要書類についても案内を受けておきましょう。
当院では診断書の発行を2,000円で承っております。
必要書類の準備
診断書のほか、本人確認書類や申請書類など、自治体が指定する書類を準備します。内容や書式は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
自治体へ申請
必要書類がそろったら、お住まいの自治体窓口に申請を行います。大阪市では、窓口での提出に加えオンライン申請に対応しているため、ご自身の状況に合わせた方法を選ぶことが可能です。
給付金の振込
申請内容が審査され、問題がなければ指定した口座に給付金が振り込まれます。振込までの期間は自治体や申請時期によって異なりますが、数週間から1か月程度を目安として考えておきましょう。

費用面が不安な方へ|まずはご相談ください
中絶に関する費用や制度について、誰にも相談できず、ひとりで悩んでしまう方もいらっしゃいます。誰かに相談することで気持ちが整理され、選択肢が見えてくることもあります。当院は、治療内容だけでなく、費用や給付金制度についても丁寧にご説明し、患者様一人ひとりの状況に寄り添ったご案内を心がけています。小さな疑問でも構いませんので、不安な点があればお気軽にご相談ください。安心して治療に向き合える環境づくりを大切にしています。
費用・制度に関するよくある質問
Q. 中絶手術に健康保険は適用されますか?
A. 原則として適用されません(全額自己負担となります)。 経済的事情や予期せぬ妊娠による中絶は「自由診療」扱いとなるため、健康保険は使えません。ただし、母体の健康に著しい危険がある場合や、妊娠12週以降の中期中絶で「出産育児一時金」を利用できる場合など、例外的に負担が軽減されるケースもあります。
Q. 「出産・子育て応援交付金」は、中絶したことを自治体に知られずに申請できますか?
A. 自治体の担当窓口へ申請が必要です。 この給付金は、自治体(市区町村)に妊娠届を提出し、面談等を行うことで支給される仕組みです。そのため、役所の担当窓口には経緯を伝える必要がありますが、自治体には守秘義務があるため、そこから外部やご家族に情報が漏れることはありません。
Q. 手術費用の支払いにクレジットカードや分割払いは利用できますか?
A. はい、当院では各種クレジットカードをご利用いただけます。 一括でのお支払いが難しい場合、クレジットカードの分割払い機能をご利用いただくことが可能です。利用可能なカードの種類や詳細については、受付にてお気軽にお尋ねください。
Q. 12週未満の「初期中絶」で、少しでも費用を抑える方法はありますか?
A. 手術時期を早めることが、費用を抑えることにつながります。 多くの医療機関では、妊娠週数が進むにつれて手術の難易度が上がり、費用も加算される傾向にあります。また、先ほどご紹介した「出産・子育て応援交付金(妊娠分5万円)」を申請することで、後日実質的な負担を軽減できる可能性があります。
Q. 診断書の発行にはいくらかかりますか?
A. 当院では、1通2,000円(税込)にて承っております。 給付金の申請等で診断書が必要な場合は、診察時にお申し付けください。当日、または後日の発行が可能です。
- 監修医情報
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理事長・院長
佐久間 航 医師