子宮奇形があっても中絶手術は可能?知っておくべきリスクと安全な手術方法を解説
「健康診断や病院で子宮奇形と言われた」「一般的な形と違うと言われたけれど、中絶手術はできるのだろうか」と、強い不安を抱えていらっしゃる方も少なくありません。
結論から申し上げますと、子宮奇形があっても中絶手術を受けることは可能です。ただし、子宮の形状によっては、通常よりも事前の確認や丁寧な処置が必要になる場合があります。
今回は、子宮奇形についての基本的な知識をはじめ、「本当に妊娠や中絶手術ができるのか」「どのようなリスクや対応方法があるのか」といった疑問や不安について分かりやすく解説します。
子宮奇形(先天性子宮形態異常)とは?
子宮奇形(先天性子宮形態異常)とは、生まれつき子宮の形が通常と異なる状態を指します。女性の数%程度にみられるとされており、決して極めて珍しい状態というわけではありません。
お腹の中にいる胎児期に、子宮をつくる元となる2本の管(ミュラー管)が合体して1つの子宮になる過程で、何らかの理由により接合が不十分だったり、一部が吸収されずに残ったりすることで発生します。多くは自覚症状がなく、妊娠時の超音波検査やブライダルチェック、婦人科検診などで初めて指摘されるケースが大半です。
子宮奇形の主な種類と特徴

中隔子宮
子宮の外側の形は通常のハート型・梨型に近いものの、子宮内部が膜(中隔)によって左右に隔てられている状態です。中隔が一部残っているものから、完全に2つに仕切られているものまであります。
双角子宮
子宮の上部(子宮底)が深く凹み、外側から見るとハート型のように2つに分かれている状態です。子宮奇形の中で比較的多くみられるタイプです。
重複子宮
子宮本体だけでなく、子宮頸部(子宮の入り口)や腟まで完全に2つに分かれて独立している状態です。
単角子宮
2本あるはずの管の片側だけが発達し、通常の半分ほどの大きさの子宮が形成されている状態です。
子宮奇形と「妊娠・流産・不育症」の関係
「子宮奇形があると妊娠できないのではないか」と心配される方が多くいらっしゃいますが、子宮奇形があっても自然妊娠される方は多くいらっしゃいます。
ただし、子宮の形状やタイプによっては、受精卵が着床しにくかったり、お腹が大きくなるにつれて子宮内のスペースが限られたりすることで、流産や早産、不育症(妊娠しても流産を繰り返してしまう状態)、逆子のリスクが高くなるケースがあります。特に中隔子宮などは、血流の届きにくさから着床や妊娠維持に影響しやすいとされています。
将来的に妊娠・出産をご希望される場合でも、事前に正確な状態を把握し、必要に応じて慎重な経過観察や対応を行うことが大切です。
子宮奇形がある場合の中絶手術への影響とリスク
子宮奇形があっても、基本的には人工妊娠中絶手術を行うこと自体は可能です。「子宮の形が違うから」という理由だけで手術を諦める必要はありません。
注意すべきリスク
通常の子宮と比べて空間が狭かったり、部屋が分かれていたりするため、以下のようなリスクに配慮する必要があります。
・子宮穿孔(穴があくリスク):子宮壁の厚みや向きが通常と異なるため、医療器具を入れる際に子宮壁を傷つけてしまうリスクが高まります。
・胎嚢への器具到達の難しさ・取り残し:左右どちらの部屋に受精卵(胎嚢)が着床しているかを正確に把握できないと、器具が届かなかったり内容物が残ってしまったりする恐れがあります。
・麻酔・出血・感染など手術に共通するリスク:静脈麻酔に伴う体調の変化、手術中・手術後の出血、子宮内の感染や炎症などが起こる場合があります。子宮の形状によって手術時間が長くなることもあります。
これらのリスクをふまえ、当院では手術前の検査で子宮の状態を確認し、術後も経過観察を行っております。気になる症状が出た場合は、お早めにご連絡ください。
安全性に配慮して中絶手術を行うための当院の取り組み
事前の超音波(エコー)による「子宮の正確な事前チェック」
手術前に経腟超音波検査を行い、子宮がどのような形状をしているのか、左右どちらの空洞に胎嚢が位置しているのか、妊娠週数と併せて詳細に確認します。正確な構造と状態を把握した上で手術に臨みます。

お身体の状態に合わせた手術方法のご提案
当院では、患者様のお身体の状態や子宮の形態に合わせ、掻爬法や吸引法などから手術方法を選択いたします。子宮の形状に合わせた丁寧な処置を行い、子宮壁や周囲の組織を傷つけないよう、お身体への負担軽減に配慮した慎重な処置を心がけております。
痛みに配慮した丁寧な前処置(子宮頸管拡張器具「ラミケンR」の使用)
手術時の子宮への負担や痛みを軽減するため、お身体の状態に応じて子宮口を広げる前処置を行います。当院では一般的なラミナリアではなく、柔軟に曲げることができる「ラミケンR」を採用しています。子宮本来のカーブに寄り添うように配置できるため挿入時の不快感に配慮できるほか、短時間の留置で準備を行えるため、患者様のお身体や精神的な負担を抑えることにつながります。なお、前処置が必要かどうかは診察時に医師が判断いたします。
母体保護法指定医による丁寧な診察と術後の経過観察
当院には「母体保護法指定医」が在籍しており、開院以来20年にわたり多くの中絶手術に携わってまいりました。お一人おひとりの状態に合わせた麻酔管理を行い、術後も経過観察を行っております。
子宮奇形が疑われる・指摘された際の手術までの流れ
1. 初診・カウンセリングと超音波検査
まずは問診でお悩みをお伺いし、超音波検査で正確な妊娠週数、子宮の形態、胎嚢の位置を確認します。あわせて血液検査等を行い、お身体の状態をしっかりと把握いたします。
2. 手術プランのご提示とご説明
お身体の状態に合わせた手術方法をご案内し、必要な前処置やリスク、費用、同意書などについて丁寧にご説明いたします。疑問や不安があれば何でもご相談ください。
3. 手術当日
ご指定のお時間にご来院いただき、必要に応じてラミケンR(子宮口を無理なく広げる準備)や点滴等の処置を行います。処置の際は静脈麻酔を使用し、お痛みや精神的な負担に配慮した状態で慎重に手術を進めます。
4. 院内での休憩と術後検診
手術後は院内のベッドでお身体がしっかり休まるまでお休みいただきます。お目が覚めた後に帰宅のための診察を行い、問題がないことを確認してお帰りいただきます。後日、術後検診を行い、子宮の回復状態を確認いたします。
なお、当院の中絶手術費用は妊娠10週未満が79,000円(税込)、妊娠10〜12週未満が104,000円(税込)です。手術を受けられる場合は初診料・術前検査(7,270円・税込)と手術後の診察は無料となります。ご来院当日にそのまま手術を受けられる場合は、別途12,000円(税込)が必要です。
子宮奇形の中絶手術に関するよくある質問
子宮奇形がある場合、次の妊娠への影響や不妊リスクはありますか?
適切に管理された処置を行った場合、手術自体が原因で不妊になったり将来の妊娠が困難になったりする可能性は低いとされています。ただし、術後に子宮内の感染や癒着が生じた場合には、その後の妊娠に影響することがあります。当院では子宮内膜を傷つけにくい慎重な処置を心がけ、術後の経過観察も行っておりますので、気になることがあればご相談ください。
他のクリニックで断られた場合でも対応してもらえますか?
まずは一度ご相談ください。他院で「対応が難しい」と言われた方についても、当院で事前検査を行ったうえで、手術が可能かどうかを判断いたします。一人で悩まず、お気軽にご来院ください。
手術後、生理はいつ頃から再開しますか?
個人差はありますが、通常は手術後1ヶ月〜1ヶ月半ほどで最初の生理が来ることが多いです。ホルモンバランスが戻るまで多少前後することがありますので、経過観察を含めてご相談いただけます。
子宮奇形や妊娠・中絶でお悩みの方は大阪にある産婦人科「さくま診療所」まで
子宮奇形があっても、事前の正確な診断と適切な管理を行うことで、自然妊娠から中絶手術まで対応が可能な場合があります。「他院で断られた」「将来の影響が心配」とお悩みの方も、まずはご相談ください。特に中絶手術においては、子宮の形状を正しく把握し、お身体への負担を抑えるための診療体制が重要となります。
当院は心斎橋で開業20年を迎え、母体保護法指定医のもと、お一人おひとりの状態に合わせた中絶手術に長年向き合ってまいりました。事前の超音波検査で構造を確認した上で、お身体の状態や子宮の形態に合わせた処置を行い、プライバシーにも配慮しております。
「まずは自分の子宮の状態を確認したい」「他院で対応が難しいと言われて不安」という段階でも構いません。子宮奇形や妊娠トラブルについてお悩みの方は、大阪にある産婦人科「さくま診療所」までご相談ください。
診療は月・火・水・金は20時まで、土曜日は午前のみ受け付けております(木曜・日曜・祝日・土曜午後は休診)。WEB予約および公式LINEから、24時間いつでもご予約・ご相談いただけます。
- 監修医情報
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理事長・院長
佐久間 航 医師