無痛麻酔について
手術中や処置のときに「痛みをどこまで抑えられるか」は、多くの方が気になるポイントです。
ここでは、まず麻酔の基礎知識から、当院が行っている無痛麻酔の考え方まで分かりやすくご説明します。
麻酔の基礎知識
麻酔は、痛みの神経のはたらきを一時的に抑え、痛みを感じにくくするための方法です。
手術などの医療行為で用いられることが多く、適切に行うためには、麻酔そのものの知識に加え、
呼吸・循環・輸血など全身管理の知識も要求されますので、高度の医学的な専門性が必要となります。
手術以外にも、集中治療室で用いられたり、ペインクリニックで用いられたり、救急蘇生で用いられるなどその使用範囲は広くなってきています。
麻酔には大きく分けて「全身麻酔」と「局所麻酔」があります。 局所麻酔は、歯科治療など体の一部だけに行う小規模な処置で使われることが多く、 全身麻酔は脳に作用して意識を眠らせることで、手術中の痛みや不快感を感じないようにする方法です。
無痛麻酔とは
無痛麻酔とは、手術の始まりから終わり、そして手術後の一定時間まで、痛みをほとんど感じることがないような状態を目指す麻酔方法です。
人は、痛みの刺激がある一定のレベルを超えたときに「痛い」と感じます。 無痛麻酔では、手術中に鎮痛薬や麻酔薬を適切に使用し続けることで、その「痛みを感じるレベル」に達しないようコントロールします。
結果として痛みを感じるレベルに達しないまま 「気づかないうちに痛みがおさまっていた」状態に近づけることができます。
こうした無痛麻酔は、身体的な負担だけでなく、手術に対する不安や恐怖をやわらげるうえでも大切な役割を持っています。