初期中絶と中期中絶の違い

初期中絶とは

初期中絶とは、妊娠11週6日までに行う人工妊娠中絶を指します。手術は静脈麻酔下で行い、機械的に子宮内から妊娠組織を掻き出します。

出産未経験者の場合は子宮頚管が閉じているため、手術前に子宮頚管を広げる前処置が必要となります。手術自体は約5分で終了し、日帰りまたは1泊入院での対応が可能です。

初期中絶によって、その後の妊娠に影響が残ることはほとんどありませんが、手術時のトラブルによって妊娠しにくくなる可能性はゼロではありません。

例えば、手術後の子宮内感染により子宮の壁同士がくっついてしまう、子宮内癒着(アッシャーマン症候群)が生じると、着床が難しくなることがあります。また、中絶を繰り返すと着床時にベッドになる子宮内膜が薄くなり、着床障害につながるおそれもあります。

妊娠

初期中絶のリスク

  • 麻酔によるアレルギー
  • 子宮内への妊娠組織の遺残
  • 子宮内感染
  • 子宮穿孔(子宮に穴があくこと)

初期中絶のリスクについて

11週6日までに行う中絶手術を初期中絶と言います。手術は麻酔をかけたうえで、機械的に子宮の中から妊娠組織を掻き出します。
手術時間はおよそ5分程度と短く、日帰りまたは1泊入院で受けることができます。

初期中絶に伴う代表的なリスクとしては、麻酔によるアレルギー子宮内への妊娠組織の遺残子宮内感染子宮穿孔(子宮に穴があくこと)などが挙げられます。

ただし、手術をしたからといって将来妊娠しにくくなるわけではありません。
適切な手技と管理のもとで行われた中絶手術であれば、ほとんどの場合、その後の妊娠に大きな影響はないとされています。

一方で、手術中や術後にトラブルが起きた場合には、それが原因で妊娠しにくくなることがあります。 例えば、手術後に子宮内感染を起こし、子宮の壁どうしがくっついてしまう アッシャーマン症候群になると、着床が難しくなり、不妊症につながることがあります。

また、特に大きなトラブルがなくても、中絶手術を何度も繰り返した場合、 着床時に「ベッド」となる子宮内膜が薄くなり、着床障害の原因になる可能性があります。

中期中絶とは

中期中絶とは、妊娠12週以降〜22週未満(または胎児が500g以上)のときに受ける中絶手術のことです。 それ以前の妊娠週数の場合は初期中絶となります。

中期中絶では手術前に同意書が必要で、手術後は法律上「死産」と扱われるため、 出産後7日以内に死亡届および死胎火葬埋葬許可証の提出が必要になります。

初期中絶のように直接掻き出すのではなく、薬を使用して自然分娩に近い形で胎児を娩出させる方法です。 そのため、数日の入院が必要になります。

子宮頚管を広げるためのラミナリアの挿入、さらに陣痛促進剤の膣内投与によって陣痛を起こし、 胎児が娩出されるまで待ちます。人によっては数日かかることもあります。

子宮内に胎盤などの残留物がある場合は、スプーン状の器具を使用して掻き出します。 母体への負担が大きいため、手術後は3〜5日の入院が必要です。

中期中絶のリスクについて

中期中絶は初期中絶と比較して母体への負担が非常に大きい手術です。 入院が必要で費用も高額になります。また「死産」扱いとなるため役所への手続きや火葬が必要です。

胎児のほうに胎児水腫など病気が見つかったためにこの時期での手術となるケースが多いです。子宮の収縮による大量出血のリスクや陣痛が強すぎた場合子宮破裂の可能性、子宮頸管損傷の可能性もあります。

術後に子宮内感染を起こすと、子宮の壁が癒着するアッシャーマン症候群が起こり、 着床しにくくなるため不妊症につながります。

中期中絶を繰り返すことで子宮内膜が薄くなり、着床障害が起こる可能性もあります。

術後の出血量は初期中絶より多く、1〜2週間続く場合があります。 胎盤の一部が残っている場合は腹痛や出血の原因となり、自然排出されなければ初期中絶と同様の処置が必要になります。

当院では中期中絶手術は行なっておりません

当院では中期中絶手術は行なっておりません。ご希望の方には、 中期中絶手術を行なっている病院をご紹介させていただきますので、 スタッフにお問い合わせください。