妊娠について

妊娠~身体の変化・注意点

妊娠~身体の変化

妊娠においての身体の変化は人によって大小ありますが、ほとんどの人が乳房の変化を感じます。赤ちゃんに授乳するために、乳首が大きくなったり、母乳のせいで胸が張ったりします。

この変化時には、乳首や乳輪が痒くなる人や、何も感じず気付けば変化していたという人もいます。それ以外にも初期には、味覚が変わることもあります。よく聞くのは、梅干しやレモンなど酸っぱいものが食べたくなるなどですが、まれに甘いものや今まで嫌いだった食べ物を好きになるなど、これも個人差があります。

妊娠に気づくきっかけとなる身体の変化は、まず生理が来なくなることです。ただ、不正出血があると生理と勘違いしてしまうことがありますが、不正出血は生理のように大量の出血や一週間続くことはほとんどありません。

短めの期間で多少の出血にとどまるようであれば、妊娠検査薬を使ってみるのもひとつの方法です。また、つわりもよくみられる変化ですが、その程度には大きな個人差があり、ほとんど感じない人もいます。同じ人でも、お子さんによってつわりが重い場合・軽い場合があります。

妊娠~身体の注意点

妊娠すると母体の中ではちいさな命がめまぐるしい速さで成長をしていきます。そんな今までの自分の体ではないような変化を受け止める際の大切な注意点がいくつもあります。

妊娠してしばらくすると、つわりがおこります。気分が悪くなったり、食欲がなくなったり、はげしい眠気に襲われたりと、その症状は人によってさまざまです。そのつわりの状態を別の身体の不調だと思い、自分で買った薬をうっかり飲んでしまうことには危険があります。

一度頭痛薬を飲んだくらいでは何の問題もない場合が多いのですが、できれば薬はさけたいものなのです。まず、自分が妊婦であるということをはやく知り、自覚し、無理をしないということが大事です。

つわりは病気ではないと昔の人はよくいいますが、その症状は個人差があるとはいえ、ひどい人にとってはどんな病気よりも肉体的にも精神的にもつらいものなのです。初期にはどんなちょっとしたことがきっかけで出血をしたりするかもわからないのです。

中絶手術可能な妊娠週数

手術可能な妊娠週数について

  • 法律上の上限 母体保護法にもとづき妊娠21週6日まで
  • 22週以降 現代医療では生存の可能性があるため中絶は不可
  • 実際に多い時期 妊娠12週までに行われるケースが多い
  • 比較的安全な目安 妊娠6〜12週ごろが手術の目安とされる

中絶手術の手術可能期間は、母体の生命と健康を守るための法律である 母体保護法にもとづき、妊娠21週6日までと定められています。 これは、現代の医療技術では22週目を過ぎると生存できる可能性があるためです。

妊娠週数が大きくなるほど、手術による母体への負担は増していきます。 そのため実際には、妊娠12週までに中絶手術を行うケースが多いのが現状です。 この頃までは胎児の大きさも比較的小さく、法的にも死産の扱いにはなりません。

一般に、比較的安全に手術が受けられる目安は妊娠6週〜12週ごろと言われています。 一方で、妊娠11〜12週での手術は中期中絶に近い扱いとなり、 初期中絶のような短時間の手術ではなく、人工的に陣痛を起こして胎児を出産させる方法になります。

その場合、母体への負担や費用も大きくなり、日帰りではなく入院が必要です。 また、死産として役所への死亡届や火葬の手続きが必要になることもあります。 週数が進むほど負担が大きくなるため、早めの受診と判断がとても大切です。

妊娠週簡易計算

妊娠して定期健診を受けると、妊娠週数や分娩予定日を医師から伝えられます。 これらは主に「ネーゲレの概算法」という簡易的な計算方法をもとに算出されています。

📘 ネーゲレの概算法(分娩予定日の出し方)

  • 最終月経の初日から3ヶ月戻す
  • その日に7日を足す
  • → それが分娩予定日の目安になります

妊娠期間は、最終月経の初日を「第1日」として数え、 280日目までを妊娠期間とするのが一般的です。 1ヶ月を4週とみなして分割することで、「妊娠◯ヶ月」「妊娠◯週」という数え方をします。

妊娠日(排卵日)の目安は最終月経から14日目とされ、 この日が妊娠2週目の最初の日に相当します。

最近では、産婦人科医が利用しているものと同じ考え方にもとづいた 妊娠週数・分娩予定日計算ツールがインターネット上にもあります。 最終月経日を入力するだけで目安がわかるため、不安な方はこうしたツールも活用してみてください。

妊娠検査薬

妊娠検査薬について

市販の妊娠判定薬の多くは、尿を使用する検査方法が用いられています。 妊娠すると急激に分泌が増えるホルモンが、おしっこの中に含まれるため、その含有量により判断がつけられるというものです。

産婦人科でも同じ原理の検査が行われ、加えて内診や超音波検査を行うことで確定診断がされています。また、赤ちゃんを授かった後も定期的に妊婦検診で尿検査が行われます。

これは妊娠高血圧症候群などの中毒症が出ていないか、赤ちゃんの成長に影響が出ていないかを早期に見つけるための大切な検査です。

妊娠検査薬

妊娠検査薬を使用する時期

生理が遅れているとき、妊娠の可能性がある場合には、妊娠検査薬で確認することができます。
一般的な市販の妊娠検査薬は、「生理予定日からおよそ1週間後」を目安に使用できるように作られています。

早く試しすぎると、たとえ妊娠していてもホルモン量が少ないため、「陰性」と判定されてしまうことがあります(フライング検査)
検査薬の箱に記載されている「使用開始時期」をよく読み、適切なタイミングで使用することが大切です。

生理周期が不規則な方は、前回の生理開始日を基準に「予定日+1週間」くらいを目安にするとよいでしょう。

妊娠検査薬を使用する手順

一般的な妊娠検査薬の使用方法は、どのメーカーでもほぼ共通です。 代表的な流れは次のとおりです。

  1. STEP 1

    説明書をよく読み、使用可能な時期と使い方を確認する。

  2. STEP 2

    専用の尿吸収体に尿をかける、またはコップに取った尿に浸す。

  3. STEP 3

    水平な場所に置き、説明書で指定された数分間待つ

  4. STEP 4

    判定窓に現れたラインやマークを見て、陽性(妊娠の可能性あり)・陰性を確認する。

血尿や異物が混ざった尿では、正確な判定ができない場合があります。
検査薬で陰性だったとしても、その後も生理が来ない・体調が気になる場合は、必ず医師に相談してください。