中絶を複数回しても妊娠・出産は可能なのか?

2度目の中絶手術をしなくてはいけなくなってしまった時、「体は大丈夫なのか」「将来ちゃんと妊娠・出産できるのか」と不安でいっぱいですよね。この記事では、中絶の回数と体への影響について、できるだけ負担を減らす手術方法、今後の妊娠や避妊について一緒に整理していきます。まずは情報を知ることから、少しずつ安心につなげていきましょう。誰かに責められるためではなく、あなたの体とこれからを守るための知識として読んでみてください。
中絶を複数回行っても、妊娠・出産は可能なのか?
結論からお伝えすると、中絶を複数回受けていても、多くの方はその後も妊娠・出産することができます。現在主流となっている吸引法などの方法では、子宮の内側を強くこすることが少なく、手術の回数そのものが直接の不妊原因になることは医学的にはまれと考えられています。
中絶後の不妊の原因として心配される「アッシャーマン症候群」は、子宮の内膜どうしが癒着してしまう状態で、月経量の変化や着床しにくさを招く可能性がある病気です。
ただ、この病気は超音波検査や抗生物質が十分でなく、吸引法が普及していなかった時代の中絶手術で問題になっていたもので、現在の手術方法では発生頻度は非常に低く、治療法も確立されています。
一方で、子宮の穿孔や感染症などの合併症が起こると、その後の妊娠に影響するリスクは高まります。中絶歴が複数回ある方ほど、今の子宮の状態や体の負担について一度きちんと確認しておくことが大切です。
不安なことがあれば、受診の上で遠慮なくご相談ください。
中絶手術を行う時期について
中絶について考えているときは、できるだけ早い段階で受診しておくことが大切です。
日本では母体保護法により、中絶手術が行えるのは妊娠22週未満(21週6日まで)と定められており、これを過ぎるとどのような事情でも中絶はできません。
また、同じ中絶でも、妊娠12週未満の「初期中絶」と、12〜22週未満の「中期中絶」では、手術方法やお体への負担が大きく異なります。初期中絶は日帰りで受けられることが多く、麻酔や手術による負担も比較的少ない一方、12週を超えると入院が必要なケースがほとんどで、陣痛を起こして分娩に近い形で行うため、身体的にも精神的にも負担が大きくなります。
中絶するかどうか迷っている段階でも、早めに妊娠の有無や週数を確認しておくことで、落ち着いて考える時間と選択肢を確保できます。
一人で抱え込まず、まずは相談のつもりで受診してみてください。
中絶手術のリスクについて
中絶手術は、まったくリスクがないわけではありません。麻酔や出血、感染症など体への影響に加えて、手術後に気持ちが不安定になる方もいらっしゃいます。
ここでは、知っておいてほしい主なリスクと、そのリスクをできるだけ小さくするためのポイントについてお伝えします。
中絶手術における体への影響
中絶手術は、きちんと行われれば大きな合併症はまれですが、体への負担がまったくゼロというわけではありません。
① 出血や子宮へのダメージへの対応
超音波で子宮の位置や厚みを確認しながら吸引法で手術を行い、必要以上に子宮の内側を触らないようにしてダメージを減らします。出血量は手術中・手術後にこまめにチェックし、多い場合は止血処置や点滴などを行います。術後も出血が続いていないか確認し、異常があれば早めに追加検査・処置を行います。
② 子宮内・骨盤内の感染症への対応
器具は症例ごとに毎回しっかり洗浄・消毒し、清潔な環境で手術を行うことで感染のリスクを下げます。必要に応じて抗生剤を使用し、術後も発熱や強い腹痛がないかを確認します。もし高熱や強い痛みが出た場合は、血液検査や超音波検査などで炎症の有無を調べ、点滴や追加の抗生剤投与など集中的な治療を行います。
③ アッシャーマン症候群(子宮内癒着)への対応
吸引法を用いて子宮内膜を強くこすらないようにすることで、内膜の癒着リスクを下げます。術後に月経量の極端な減少や月経が来ない状態が続く場合には、超音波検査や子宮鏡検査で内膜の様子を確認します。癒着が疑われる場合は、子宮鏡下で癒着をはがす治療やホルモン治療などを検討し、将来の妊娠への影響をできるだけ小さくするように対応します。
まとめ
中絶を複数回経験していても、現在の手術方法では、その後に妊娠・出産されている方は少なくありません。
ただし、子宮の状態やこれまでの経過によっては注意が必要な場合もあります。
一人で「何回まで大丈夫なのか」と悩み続ける前に、今のお体の状態を一緒に確認してみませんか。
当院では、中絶歴や将来の妊娠への不安、避妊のことなどをお話しいただける無料相談を行っています。オンライン予約やお電話から、どうぞ気軽にご相談ください。