中絶コラム

中絶後に発熱するのは普通?38℃以上は危険サイン|受診の目安を詳しく解説

術後の体は妊娠前へ戻る途中で大きく変化するため、軽い発熱が出ることは珍しくありません。ただし、38℃以上の高熱が続く時は、感染症が進んでいる可能性もあるため、正しい判断が求められます。

この記事では、中絶後に起こりやすい発熱の特徴、危険な熱の見分け方、受診の目安、起こりやすい身体症状、合併症のリスク、術後の過ごし方、再診の必要性までを、わかりやすく整理します。

どの状態なら自然経過として様子を見られるのか、どのタイミングで婦人科へ相談すべきかを知っておけば、不安を抱えすぎずに体調と向き合えるでしょう。

目次

中絶後の発熱はよくある反応で多くは1〜2日で落ち着く

体温を測る様子

中絶後は、体が妊娠前の状態へ戻る途中で変化が起こるため、軽い発熱が出ることがあります。特に術後1〜2日は子宮の収縮が強まり、37℃台の熱が見られることも珍しくありません。この発熱は体の自然な反応で、多くの場合は時間の経過とともに落ち着いていきます。

ただし、一見軽く見える発熱でも、体調の変化とあわせて様子を見ることが大切です。発熱に加えて痛みが強くなったり、だるさが続いたりする場合は、体が回復に負荷を感じている可能性もあります。まずは無理をせず、体の変化を丁寧に確認しながら過ごしましょう。

薬物療法の副作用の中にも一時的な微熱があります。

参照:National Library of Medicine「Post-abortion Complications: A Narrative Review for Emergency Clinicians」

手術直後は子宮が元に戻る過程で37℃台の熱が出ることがある

中絶手術のあと、子宮は妊娠前の大きさへ戻ろうと活発に収縮します。この収縮は「後陣痛」と呼ばれることもあり、人によっては生理痛に近い痛みを感じることも。こうした子宮の動きによって体温が少し上がり、37℃台の発熱が出るケースがあります。

このような発熱は手術による炎症反応の一種で、体が元の状態に戻るために必要なプロセスです。一般的には1日〜2日ほどで自然に治まるため、慌てる必要はありません。

ただし、発熱以外の症状もあわせてチェックすることが重要です。痛みが日ごとに強くなる、ふだんより出血量が多い、不快なにおいを感じるなどの変化がある場合は、単なる術後反応ではない可能性もあります。心配な点があれば、早めにクリニックへ相談して状態を確認しておくと安心でしょう。

麻酔の影響による一時的な発熱・だるさが術後の数時間に起こることがある

手術の際に使用される麻酔は、体温調整や自律神経に一時的な影響を与えることがあります。そのため、術後の数時間は熱っぽさやだるさを感じることがあり、軽い発熱が出るケースも。これらは麻酔が体から抜ける過程で起こるもので、多くの場合は半日〜1日ほどで落ち着きます。

麻酔の影響による発熱は、子宮の収縮による発熱と比べて短時間でおさまりやすいのが特徴。ただし、水分不足や極度の緊張によっても体温が上がることがあるため、術後はできるだけリラックスして過ごすと回復がスムーズになります。

一方、麻酔が抜けたあともしつこいだるさや高い発熱が続く場合、麻酔以外の原因があるかもしれません。特に痛みが強くなったり、悪寒が出たりする場合は感染症が隠れていることもあるため、そのまま様子を見るのではなく医療機関への相談を検討しましょう。

38℃以上の高熱や長引く発熱は感染症の可能性も

中絶後の発熱は多くが自然に治まりますが、38℃以上の高熱が続く時は、体の回復が遅れていたり、子宮内で炎症が進んでいたりする可能性があります。

ここではまず、どのような発熱が「危険のサイン」なのかを整理し、受診が必要となる具体的な症状や、39℃以上の高熱・悪臭のある出血など注意したいポイントを詳しく解説します。

「ただの発熱」と「危険な発熱」を見分けることは、重症化を防ぐうえで非常に重要です。ここで紹介する症状を知っておけば、受診のタイミングを迷わず判断でき、体への負担も最小限に抑えられるでしょう。

中絶後の評価では、病歴の段階で出血や悪臭、腹痛とともに発熱が重要なスクリーニング項目となっています。子宮穿孔などの外科的合併症が生じた場合にも、腹痛、持続出血、血尿とともに発熱を呈する可能性があります。

参照:National Library of Medicine「Post-abortion Complications: A Narrative Review for Emergency Clinicians」

婦人科の受診・診療が必要となる危険な発熱のサイン

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危険な発熱にはいくつかの特徴があり、それぞれで気をつけるべき点が異なります。熱の続き方、急激な熱の上がり方、出血やおりものの状態など、体が発しているサインの意味を理解しましょう。

以下で代表的な症状をいくつか取り上げ、どの状態が受診の目安になるのかを具体的に説明していきます。体の負担を大きくしないためにも、早めに気づく視点を持っておくことが大切です。

38℃以上の発熱が2〜3日続く場合は感染症の疑いがある

中絶後に38℃以上の熱が続く場合、体の炎症が広がっている可能性があります。通常、術後の軽い発熱は1〜2日でおさまることが多いため、2〜3日以上続くようであれば注意が必要。とくに、熱だけでなくだるさや悪寒が強まるときは、感染症が進行していることも考えられます。

この段階で受診をためらうと、炎症がさらに強くなり、治療が長引くことも。抗生剤の投与で改善するケースも多いため、早めの診察が体の負担を軽くしてくれます。

体調の変化は個人差がありますが、「明らかに長い」「いつもの風邪とは違う」と感じたときは、その直感を大切にしてください。熱の高さだけに注目するのではなく、体のだるさ・痛み・出血の変化もあわせて見ていくことで、より正確に体調を判断できます。

39℃以上の高熱と強い下腹部痛・出血を伴う場合は緊急診察が必要

39℃以上の高熱がある場合は、体が強い炎症反応を起こしている状態で、早急な受診が必要です。とくに強い下腹部痛や、大量の出血を伴うときは、子宮内で大きなトラブルが起きている可能性があります。

痛みが波のように強くなる、歩くのもつらいほどの違和感がある、血の塊が増えてくるなどの変化があれば、すぐに医療機関へ連絡してください。緊急診察が必要な状態では、治療が遅れるほど体の負担が大きくなるため、判断を迷わないことが大切です。

また、夜間や休日で不安が大きい場合でも、救急相談窓口に連絡することで受診すべきか判断してもらえることがあります。

悪臭のある出血や膿のようなおりものは子宮内感染の可能性

中絶後の出血やおりものは、通常は経過とともに少しずつ減っていきます。しかし、悪臭のある出血や、膿のように濁ったおりものが増える場合は、子宮内で感染が起きている可能性があるので、においや色の変化は見逃さないようにしましょう。

子宮内感染が進行すると、熱が上がったり、強い痛みが出たりすることがありますが、症状が出る前の段階で気づけば、早めの治療で大きなトラブルを防ぎやすくなります。

普段のおりものとは明らかに違う、いつもより不快に感じるなどの変化があれば、早めの受診を検討してください。小さな異変に気づくことが、体を守るうえで非常に重要です。

中絶後数週間、女性が膣出血(軽い月経のような出血または点状の出血)を経験すること自体は正常な範囲内です。

参照:National Library of Medicine「POST-ABORTION CARE」

高熱を引き起こす術後トラブル

中絶後に起こる高熱の中には、体が回復する途中でみられる自然な反応ではなく、体の内部で別の問題が進んでいることで生じるものがあります。とくに、痛みが強まったり、出血が長引いたりする場合は、子宮の中で炎症が起きている可能性があり注意が必要。

高熱につながる原因はいくつかあるので、以下では高熱の原因として特に多いものをいくつか取り上げ、症状の特徴や見逃さないためのポイントを詳しく説明します。

子宮内感染(細菌感染症による炎症)

中絶後の子宮内は、一時的に細菌が入りやすい状態になることがあります。その影響で感染が起こると、強い炎症が生じ、高熱や下腹部の痛みとして現れます。最初は軽い違和感でも、時間が経つにつれて痛みが強まることがあり、放置すると体全体に影響が広がることも。

子宮内感染では、悪寒を伴う急な発熱や、不快なにおいを伴う出血・おりものが増えるなど、特徴的な変化が見られることがあります。症状が少しでも気になる場合は、我慢せずに医療機関で確認することが大切。

早めに治療を受ければ、炎症を短期間で抑えることができ、体への負担を軽くできます。

胎盤遺残による炎症と高熱

手術後にごく一部の組織が子宮内に残ってしまうことがありますが、これを胎盤遺残といいます。これが残ると子宮がうまく収縮できず、内部が炎症を起こしやすくなり、高熱や強い下腹部痛として症状が現れることが少なくありません。

胎盤遺残では、出血が長く続く、血の塊が多く出る、痛みが日ごとに強まるなどのサインがみられます。これらは自然に治るものではないため、医療機関での診察が必要。適切な処置を受ければ症状が改善しやすく、重いトラブルを避けることができます。

急性骨盤内感染症による激しい痛みと発熱

骨盤内に広く炎症が広がると、急性骨盤内感染症と呼ばれる状態になることがあります。この場合、下腹部全体に強い痛みが出るほか、高熱や悪寒、吐き気など、体の負担が大きい症状が一度に現れることが多いのが特徴。

炎症が広範囲に及ぶため、進行が早く、短時間で体調が悪化するケースもあります。普段の腹痛とはまったく違う強い痛みを感じる、立っていられないほどつらい、発熱が急に上がってきたなどの変化があれば、ためらわず医療機関へ連絡してください。早期に治療を受けることで、重症化を防ぎやすくなります。

中絶後に起こりやすい身体症状

中絶後の体は、妊娠で変化した状態から元に戻る途中にあり、その過程でいくつかの症状が出やすくなります。下腹部の痛み、めまい、気持ちの揺れなど、人によって現れ方はさまざまですが、多くは時間とともに落ち着いていくもの。

ここでは、術後に多くみられる代表的な身体の変化を整理し、どの症状が一般的で、どこに注意すべきかをわかりやすくまとめます。

痛みの出方やホルモンの変化、気持ちの波など、症状ごとに意味が異なるため、それらの見分け方も把握しておくことが大切です。

下腹部痛や生理痛に似た子宮の収縮による痛み

中絶後しばらくは、子宮が妊娠前の大きさに戻ろうとして収縮するため、生理痛のような下腹部の痛みが出やすくなります。

立ったり歩いたりしたときに痛みが強まることもありますが、多くは数日から1週間ほどで落ち着くでしょう。体が回復していく途中で起こる自然な変化のひとつと考えてかまいません。

痛みの出方には個人差があり、日を追うごとに軽くなっていく場合は心配いりません。ただし、痛みが増してくる、安静にしてもおさまらない、出血量が増えるといった変化がある場合は、体が負担を感じているサインでもあります。

回復を早めるためには、無理をせず、体の動き方や休み方を調整しながら過ごすことが大切です。

中絶後は子宮が収縮するため、多少の痛みが生じるのは正常です。軽い鎮痛剤で痛みを和らげることができます。

参照:National Library of Medicine「POST-ABORTION CARE」

麻酔や妊娠ホルモンの変化によるめまい・吐き気・頭痛

手術で使用された麻酔の影響や、妊娠によって変化していたホルモンが元の状態に戻る過程で、めまいや吐き気、頭痛が出てくることがあります。

とくに術後数日は体のバランスが整いにくく、ふらつきや気分の悪さを感じやすい時期です。多くは時間の経過とともに落ち着いてきますが、体調の波が出やすいため、慎重に過ごす必要があります。

症状が軽い場合は休息や水分補給で改善することが多いのですが、めまいが強くなる、吐き気が続く、頭痛が悪化してくるなどの変化が見られるときは注意が必要。負担を減らすためにも、こまめに体を休め、無理な行動を避けることが回復の助けになります。

不安定になりやすい心の変化や涙が出やすくなる心理症状

中絶後は、体の変化だけでなく気持ちの揺れも起こりやすくなります。理由がはっきりしない不安、涙が出やすい、気持ちが沈みやすいなど、感情が不安定になることがあり、これらはホルモンの急な変動や体の疲れが影響していることも。

心の変化は周囲から見えにくいため、ひとりで抱え込んでしまうこともありますが、気持ちの安定は体の回復にも関係します。つらさが続く、夜眠れない、不安が強まるといった状態が続く場合は、早めに相談できる相手を見つけると安心につながるでしょう。

体と同じように、心のケアにも目を向けることで、回復がよりスムーズになります。

発熱や感染症を防ぐための術後の過ごし方

中絶後の体は、手術による刺激やホルモンの変化が重なり、感染症が起こりやすい状態になることがあります。発熱を防ぎ、回復をスムーズに進めるためには、術後の数日間をどのように過ごすかが非常に重要です。

ここでは、術後に気をつけたい行動や、体に負担をかけないための基本的なポイントを整理します。

体が落ち着くまでの期間に正しく過ごすことで、発熱や感染症のリスクを減らせるため、ぜひ意識しておきましょう。

術後数日は安静にして体力を回復させる

中絶後は、見た目以上に体が疲れやすい状態になっています。手術の影響やホルモンバランスの変化によって体力が落ちやすく、普段の生活ペースに戻ろうとすると回復が遅れることも。

術後の数日は、横になる時間を増やし、できるだけ無理のない過ごし方を意識することが大切です。特に、処置の直後は体温が上がりやすかったり、だるさを感じやすかったりするため、こまめに休息を取りながら体の状態を整えることが重要。

体力が戻り始めると、痛みや軽い発熱も落ち着きやすくなります。回復には個人差があるため、周囲のペースに合わせず、自分の体が示すサインに従って過ごしましょう。

入浴・飲酒・性行為は控える

術後の体は、血流の変化や体温の上下に敏感になりやすく、入浴や飲酒は症状を悪化させる原因になることがあります。特に湯船につかる入浴は出血を増やすことがあるため、体が落ち着くまではシャワーで短時間済ませるほうが安心。飲酒は体温が上がりやすく、体の回復を妨げることがあります。

また、性行為は子宮の内部が完全に回復する前に行うと、感染症のリスクが高まります。出血の状態や体調が安定するまでは控えることが大切です。

再開のタイミングには個人差があるため、不安がある場合は医療機関に相談すると安全に判断できます。

参照:Attorney at Law Magazine「The Effects of Alcohol on Wound Healing」

体調を悪化させないためのセルフケア

術後の体を守るためには、日々の小さな工夫が回復を助けます。水分をしっかり補給し、体を冷やしすぎないように心がけることで、だるさや痛みが悪化しにくくなるでしょう。食事は無理に多く食べる必要はありませんが、消化の良いものを選ぶと体への負担が少なくてすみます。

また、気持ちが不安定な時期でもあるため、心の疲れが体調に影響することもあります。深呼吸や短い休憩を取り入れ、緊張を緩める習慣をつくることで、体調の波を整えてください。

少しでも変化を感じたときは、早めに休むことで無理なく回復へ進めます。 

高熱が続く場合に考えられる合併症

中絶後の発熱は多くが一時的なものですが、高い熱が何日も続くときは、体の中で別の問題が起きている可能性があります。特に、子宮の回復がうまく進まない場合や、内部に残った組織が炎症を引き起こしている場合、高熱や強い痛みとして症状が現れることも。

ここでは、発熱が長引くときに考えられる代表的な合併症を整理し、それぞれがどのようなサインとして現れるのかを詳しく説明します。

これらを理解しておくことで、体の異変に早く気づきやすくなり、重い症状を防ぐ助けになるでしょう。

胎盤遺残による出血・発熱のリスク

手術後にごく一部の組織が子宮に残ってしまうことがあり、これを胎盤遺残と呼びます。この状態が続くと子宮がうまく収縮できず、内部に炎症が起きやすい状態に。その結果、強い下腹部痛や発熱、出血の増加などの症状として現れ、回復が遅れる原因になるので注意が必要です。

胎盤遺残があると、出血が長引く、血の塊が多く出る、日を追うごとに痛みが強まるといった変化が見られることがあります。自然に改善することはほとんどないため、体の負担を減らすには早めの受診が重要。

医療機関で適切な処置を行えば症状が落ち着きやすく、重い合併症を防ぎやすくなります。

RPOC(残留胎盤) は感染や炎症の病巣となる可能性があり、出血、血液製剤の使用、子宮摘出、敗血症、子宮内癒着などの重篤な合併症のリスクを高めます。

参照元:ScienceDirect「Endometritis Following Pregnancy」

子宮収縮不全による出血の長期化と感染リスク

中絶後は、子宮が元の大きさへ戻るために収縮を繰り返します。しかし、この働きが十分に進まない場合、子宮収縮不全と呼ばれる状態になり、出血が長く続きやすくなります。

子宮の中に血液が残りやすくなることで、細菌が増えやすい環境ができてしまい、発熱や感染症へつながることも。

症状としては、出血がなかなか減らない、痛みが強まる、動くと違和感があるなど、回復が遅れているサインが現れることがあります。放置すると炎症が広がる可能性があるため、変化を感じたときは早めに医師へ相談することが大切です。医師の診察で必要に応じて薬などで収縮を促すことがあります。

子宮内膜癒着(アッシャーマン症候群)による生理異常

子宮内膜癒着とは、子宮の内側がくっついてしまう状態で、アッシャーマン症候群とも呼ばれます。まれな合併症であり、多くの方には起こりませんが、子宮内に傷ができたあとに癒着が起こることがあり、生理が極端に少なくなる、周期が乱れるといった変化として現れることも。

癒着が進むと、生理痛が強まる、出血がほとんど出ない、周期が変わるなど、日常生活でも気づきやすいサインが現れます。気になる症状がある場合に早めに相談すれば、検査や治療で対応できることがあります。

アッシャーマン症候群は、不妊症、反復流産、重度の月経不順につながる著しい瘢痕形成が特徴です。癒着膜が広範囲になると月経が妨げられ、無月経や過少月経として現れます。

参照元:National Library of Medicine「Intrauterine Adhesions and Asherman Syndrome」

再発予防と早期発見のために必要な受診・診療管理

中絶後の体は、表面上の回復よりも内側の変化が続いており、トラブルが起きても自分では気づきにくいことがあります。発熱や痛みが続くのを防ぐためには、術後の診察を適切なタイミングで受け、体の状態を確認しておくことが重要です。

ここでは、術後にどのような診察を受けるべきか、避妊を始める時期や方法など、再発を防ぐために押さえておきたいポイントを整理します。

排卵の戻りが早い人が多いことや、避妊方法によってトラブルの予防にもつながる点など、知っておくと安心できる内容を順に理解していきましょう。

術後1〜2週間の診察で子宮の回復と感染兆候を確認する

術後1〜2週間の時期は、子宮が回復し始める大切な段階です。このタイミングで診察を受けると、子宮の大きさが戻っているか、残った組織がないか、感染の兆候がないかなど、目に見えない部分の状態を確認できます。痛みや出血の量だけでは判断できない異常も、この時期の診察で早めに気づけるでしょう。

自分では順調に回復しているように見えても、内部で炎症が進んでいる場合もあるため、この診察は再発予防のうえで非常に重要です。問題が見つかった場合も、早期に対応することで症状が重くなりにくくなります。回復が不安定に感じるときは、予定より早めに受診することで安心につながります。

排卵が早期に戻るため術後すぐに避妊が必要

中絶後は、出血が続いている間でも排卵が再開することがあります。人によっては2〜3週間ほどで排卵が戻ることもあり、思っているより早い時期に妊娠の可能性が生まれるため注意が必要。体が完全に回復していない段階で妊娠すると、体への負担が大きくなるだけでなく、トラブルにつながることもあります。

避妊は「生理が戻ってから」と考える人もいますが、排卵は生理より先に起こるため、術後すぐに避妊を始めることが大切です。体の回復を守るためにも、早めに避妊について考えておくと安心して過ごせるでしょう。必要であれば医療機関で相談し、自分に合った方法を選ぶと安全です。

低用量ピルやIUSなど確実な避妊法が再発予防につながる

避妊方法の中には、妊娠を防ぐだけでなく、子宮内の環境を整えたり、生理の負担を減らしたりする効果が期待できるものがあります。低用量ピルは排卵を抑えることで妊娠を防ぎ、ホルモンのバランスを整える効果があり、IUS(子宮内避妊具)は長期間の避妊が可能で、継続して使えるため負担が少ない方法として選ばれています。

これらの方法は、再発予防にもつながる点が大きな特徴。避妊が確実に行われることで、体が完全に回復する前の妊娠を避けることができ、トラブルのリスクを減らせるでしょう。

ただし、生活パターンや体質によって向き不向きがあるため、迷ったときは医療機関で相談すると安心して選べます。

中絶後 発熱に関するよくある質問

中絶後の発熱はよく見られる症状ですが、その経過や受診の目安については不安を抱きやすい部分でもあります。高い熱が続く状況や、熱がなくても気をつけるべき症状など、判断が難しい場面が多く、迷いが生まれやすいでしょう。

ここでは、術後によく寄せられる質問を取り上げ、どのように判断すべきかを整理しました。疑問点をあらかじめ理解しておくことで、体調の変化に早く気づきやすくなり、受診のタイミングも見極めやすくなります。

発熱が何日続いたら婦人科を受診するべきですか?

多くの場合は1〜2日ほどで落ち着きますが、個人差があります。高熱が続く場合や、痛み・出血の増加を伴う場合は早めの受診が必要です。38℃前後の熱が2〜3日続く場合や、熱の高さに関わらずだるさや悪寒が強まってくるときは、感染症が進んでいる可能性も。

また、日ごとに熱が上がっていく、痛みが強まっていくといった変化があれば、体が負担を感じているサインでもあります。迷ったら一度相談してみるほうが安心でしょう。

発熱がなくても診察したほうがよい術後症状は?

たとえ熱がなくても、出血や痛みの変化が気になるときは受診を検討したほうが安心です。特に、悪臭を伴う出血や濁ったおりものが続く場合、下腹部の強い痛みが増していく場合は、感染の初期段階であることがあります。

発熱が出る前に体がサインを出している可能性もあり、早めに確認しておきましょう。

また、出血が長引く、血の塊が増える、めまいが強まるなど、普段と明らかに違う変化が出たときも注意。熱がないからと安心せず、気になる症状があれば迷わず医療機関で相談することで、重いトラブルを防ぎやすくなります。

術後の生理はいつ戻る?

中絶後の生理は、通常4〜6週間ほどで戻ることが多いですが、個人差があります。排卵は生理より先に起こるため、生理が来ていなくても妊娠の可能性が生まれる時期があることを知っておく必要があります。術後の体はホルモンバランスが大きく変わるため、生理周期が一時的に乱れることも。

生理が戻るまでの期間は、出血の状態や体調の変化を確認しながら過ごすことが大切です。生理が極端に少ない、強い痛みを伴う、2ヶ月以上来ないなどの変化がある場合は、子宮内の環境に問題が起きている可能性もあるため、早めに受診しましょう。

診療時間外に高熱が出たらどうする?

症状が夜間や休日に出ると不安が強くなりやすいものですが、強い悪寒を伴う高熱や、下腹部の痛みが急に強まる場合は、時間を待たずに対処することが必要です。まずは地域の救急相談窓口に連絡し、受診が必要かどうか判断してもらうと安心。対応が早ければ、体の負担を最小限に抑えられます。

歩くのもつらいほど痛む、血の塊が増える、気分が急に悪くなるなど、普段と明らかに違う変化があるときも、早めの相談が大切です。不安なときは無理に我慢せず、体調の変化に合わせて対応することで、重い症状を防ぐことができます。

まとめ:異常な発熱は放置せず早めに婦人科で診察を

中絶後の体は、回復に向かう途中でさまざまな変化が起こりやすく、軽い発熱が出ることも珍しくありません。

ただし、高い熱が続く場合や、痛み・出血の増加、悪臭のあるおりものなどが見られるときは、体が負担を感じているサインとして判断することが大切です。早めに気づいて受診を行うことで、重い症状を防ぎやすくなります。

不安を抱えたまま過ごすよりも、気になる変化があるときは医療機関へ相談するほうが安心して回復へ進めるでしょう。体調の小さな違和感にも目を向けながら、無理のないペースで過ごすことが、術後の健康を守るために欠かせませんよ。

監修医情報

理事長・院長

佐久間 航 医師

佐久間 航
略歴
平成12年 大阪医科大学医学部 卒業
平成18年 医療法人 大生會 さくま診療所 開院
所属・資格
  • 医学博士
  • 産婦人科専門医
  • 母体保護法指定医
  • 日本東洋医学会 漢方専門医
所属学会
  • 日本更年期学会 会員
  • 日本心身医学会 会員
  • 日本周産期新生児学会 会員